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IoTやVRでTV番組はどう変わるのか? 後編

2017.07.25

「IoT」や「VR」の進歩は、TV番組をどう変えていくのでいくのでしょうか。前編ではイベント「Connected Media Tokyo 2017」を通して、“TV番組とVRの今”を紹介しましたが、後編では「ワイヤレスジャパン2017」を通して、IoT を加えた“TV番組とVRの将来”を考察します。



「すべてがワイヤレスでつながる」と銘打って、先日5月24日から26日、東京ビッグサイトでIoTの祭典「ワイヤレスジャパン2017」が開催された。(※同時開催は「ワイヤレス・テクノロジー・パーク2017」「ドローンソリューション&技術展2017」。)

イベント全体を通してのキーワードは、「4K」「5G」「2020」!

2020年の東京オリンピックに向けて、4K画質での5G通信、多くの参加企業がそれを目指しての技術開発を展示していた。※5G通信は2019年または2020年に実現予定。
2020年に向けて大きく変わろうとしているTV番組の放送形態。その最新技術をピックアップしてご紹介したい。


会場の様子


■VR&AR オリンピック中継

KDDI社のブースで展示されていたのが、VR技術を使ったサッカー中継のデモ。大型モニターには、ちょっとCGっぽい質感のサッカー中継の映像が映し出されていた。KDDI総合研究所の三功さんによると、これはCGではなく、実際の試合を中継している映像だとのこと。モニターについているコントローラーを操作すると、様々な角度から試合を見ることができる。
この技術は、試合を通常の中継よりかなり少ない4台から8台のVR用カメラで撮影し、4K画質で5G配信するというものだ。視聴者はモニター(テレビ)、スマホ、そしてVRヘッドマウントディスプレイ(以下VRHMD)で視聴できる。VRHMDで見てみると、キーパー目線の画像となり、かなり臨場感と迫力がある。現在のスポーツ中継とはまるで違う視聴感覚が体験できる。


モニターでの視聴

VRHMDでの視聴


一方、NTTドコモ社とフジテレビ社が展示していたのが、ジオスタというAR(拡張現実)を使った配信技術だ。こちらではゴルフ中継でデモを行っていた。スタジオの中心にプラスティックで作られたゴルフ場の模型が設置されている。そこにスマホをかざすか、ホロレンズ(※1)で見ると、模型の上にARでゴルフのプレイが映し出される。プレイだけでなく、いろんなデータも表示される。
フジテレビの小倉さんによると、将来的には模型もCGで表示されるようになると言う。そうなるとお茶の間にARでオリンピック会場が再現され、中継の様子をいろんな角度から楽しむことができるようになる。


ジオスタのブース

ゴルフ場の模型

ジオスタの視聴イメージ(サッカー)


■VR関連技術の進歩

こういったオリンピック中継の実現に向けて、それを支える関連技術も展示されていたので、3つほどご紹介したい

パナソニック社のブースで出展されていたのは、最新のVR撮影用カメラ。ライブの様子を撮影したものがデモ展示されていたが、画質、音質共に良く、被写体との距離感もかなり自由度が高いものとなっていた。


パナソニック社 360°カメラ


ジャパンディスプレイ社が展示していたのは、5G通信で8K画質を送信する技術、それを受けて表示できるデバイス(モニター)、同じく8K表示できるVRHDMだ。8K画質はやはり非常に美しくリアルだ。2020年の実現に向けて開発を進めているがハードルはかなり高いとのことだが、実現すればワンランク上のオリンピック中継を鑑賞できることになる。ちなみにジャパンディスプレイ社はこの技術を、ひとまずは医療分野での遠隔治療などに活かしたいと考えていると言う。


ジャパンディスプレイ社ブース


そして現在のテレビ番組制作に欠かせないドローンも、超望遠カメラを搭載した高機能ドローンなどが展示されていた。オリンピック中継では活躍するに違いない。


超望遠カメラ搭載ドローン

引きの画像

寄りの画像 山頂の小屋が撮れる!


■エピローグ

現在、IoTやVRを使った様々なTV番組作りの技術が開発されているが、改革の大きなポイントは“視聴者主体のTV番組視聴”になるということだ。これまでは基本的には受け身だったTV番組視聴が、デバイスを選び、角度や画角を選び、表示するデータなどを選び、ひたすらカスタマイズを施す“視聴者主体”、もしくは視聴者が“主人公目線”のTV番組へと大きく変わっていくと考えられる。特にスポーツ中継、報道、ドキュメンタリーは、その変化がまず最初に具現化されるだろう。

いずれにしても2020年がTV番組の大きなターニングポイントとなりそうだ。


>>前編はこちら


「ワイヤレスジャパン2017」
http://www.f2ff.jp/cmt/

(※1)ホロレンズ:マイクロソフト社が開発したAR用またはMR(現実世界と仮想世界を融合させた世界をつくる技術)用デバイス。


■おすすめ記事

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・「ジャパンアミューズメントエキスポ」レポート -3つの新潮流- 後編

(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。


 

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