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なぜ今新世代aiboなのか?調べて見えてきたペットロボット市場の可能性

2018.01.19



皆さんはAIBOを知っていますか?1999年にソニーが発売した犬型の「ペットロボット」ですが、何世代かのAIBOが製造されたのち、2006年には製造が中止されてしまいました。
そんなAIBOが、「aibo」として2018年1月11日(ワンワンワンの日!)に復活することが発表されました。今日までに様々なペットロボットが登場している中、新しいaiboはペットロボット市場の中でどのような立ち位置となるのでしょうか?


■「ペットロボット」の市場を拓いたAIBO

AIBOは前述の通り、1999年からソニーが発売しているペットロボットのシリーズです。おもちゃメーカーではなく、電気機器メーカーが発売した本格派のペットロボットであり、物珍しさや、SFに出てきそうなサイバードッグ的な見た目、どこかぎこちなくて愛らしい動きなどが相まって大ヒットしました。AIBOがキッカケとなって「ペットロボット」という市場が誕生したと言っても差し支えないでしょう。
AIBOの誕生以降、おもちゃメーカー等を中心に安価なものも多く発売され、ペットロボット市場が広がりました。AIBOは玩具というよりロボットですから値段もそれなりに高く、それらの後続商品との競争も一因となり、残念ながらAIBOシリーズは2006年には製造中止となってしまいました。




渋谷にオープンした触れ合いスペースaibo roomにて、元気に遊ぶaibo


■「ペットロボット」の多くはひとつのニーズを満たすのみ?

AIBOが生み出したペットロボット市場は、現在どうなっているでしょうか。
AIBOのように”人との疑似的なコミュニケーションが可能なロボット(コミュニケーションロボット)”は、価格帯も見た目も多様化してきています。コミュニケーションロボットの市場は拡大傾向にあり、2020年には87億円規模に成長するとの試算もあります(出典:矢野経済研究所調べ)。同研究所は、コミュニケーションロボットを「会話型」、「非会話(動作)型」、「会話/動作複合型」の3タイプに分類しています。コミュニケーションロボットで今1番有名であろう「Pepper」は、「会話/動作複合型」で、コミュニケーションロボットの括りではこのタイプが昨今は盛り上がっている印象です。
他方、ペットロボットは「非会話(動作)型」にあたります。近年の人気のペットロボットでは、タカラトミーの「ロビジュニア(約1万円)」、「ウーニャン(約2万円)」「Zoomer(約4万円)」、セガトイズの「夢ねこセレブ(約5万円)」「ハートエナジープーチ(約7千円)」、大和ハウス工業の「パロ(45万円)」などがあります(パロは介護施設などでのセラピー向け商品のため、家庭用のペットロボットとは少し違いますが)。このように、いくつか「聞いた事がある!」という商品などは勿論あるのですが、AIBOほどの話題になっている商品はあまりないように思います。なぜでしょうか?
上にあげた家庭向けのペットロボットは、主には大手のおもちゃメーカーから販売された1~5万円の”玩具の価格帯”の商品が中心であるように思います。機能も、こちらの声や挙動を認識して鳴いたり動いたりといったシンプルなものが中心です。ペットロボットはあくまで「ペットの代わり」というひとつのニーズを満たすものなのです。


■「ペットの代わり」以外のニーズにも切り込めるaibo

翻って、新世代の「aibo」はどうでしょうか。「ペットの代わり」というニーズには勿論応えているでしょうし、最新の技術で、より犬に近い動作も可能になっているようです。しかし、それだけでは既存のペットロボット市場の中では、AIBOと同様にまた少しずつ消えて行ってしまうのでは…? 実はaiboには、初期AIBO、または他のペットロボットとは異なるニーズが確かにあるようなのです。
現在のペットロボットは、上記のようにあくまで「ペットの代わり」としての価値を追求したものです。初期型のAIBOも、約25万円という値段に見合った多くの機能を備えてはいましたが、それでも「高価格で多機能なロボット型のペット」にとどまっていたのではないでしょうか。
一方のaiboは、値段は20万以上と初期型と同価格帯ですが、AIスピーカーといった最新の技術や、クラウド型AIの採用により飼い主に合わせて「成長する」という機能を持ちました。それは、より動物に近づくための機能であると同時に「ロボット技術」の成長も感じられるものです。
実際に、購入を検討している人や、激戦を勝ち抜いて予約に成功した人などの声をSNS等で拾ってみると、「ペットの代わりやコミュニケーションの相手」といった通常のペットロボットへのニーズだけでなく、「機械やロボットなどの新製品が好きで待っている」や「ソニー製品が好き」など、機械としての性能に期待している声も見られます。
つまり、新世代のaiboは、初期AIBOや他のペットロボットとは異なり、動作の向上やクラウド機能の採用によって、「ロボット型のペット」として「ペットの代わり」を求める声に応えると同時に、「ペット型のロボット」として「高性能な機械」を求める声にも応えるものになったのではないでしょうか。


■「ロボット型のペット」と、「ペット型のロボット」の2つの価値がカギ

2017年11月1日(こちらもワンワンワンの日!)に予約を開始したaiboは、30分ほどで予約満了になりました。これも、aiboへの期待が伺える一幕です。ペットロボットは、高齢化やひとり暮らしの増加、介護需要の増加にともなって間違いなく需要は続いて行くでしょう。しかし、ペットの代わりとしてのニーズを満たすだけに留まるのでは、革新的な商品の発売や、市場の拡大は難しいのではないでしょうか。AIBOが発売した1999年からの17年を見ると、そのように思えます。そんな中、きっとaiboのような2つの側面(あるいはもっと他の側面)を持つものが、今後の市場に切り込むカギとなっていくと感じます。


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(記事:小林真希)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。


 

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