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2.5次元ミュージカルにアニソン、そして新鋭ながら人気急上昇中の音楽バンドNulbarich !
「東京国際ミュージック・マーケット」レポート 後編

2017.11.13

10月23日(月)、24日(火)、25日(水)、渋谷と池袋を会場に、日本音楽の海外進出を目的とした「第14回東京国際ミュージック・マーケット」(以下、 TIMM)が開催されました。日本と海外の音楽会社によるビジネスマッチングが行われ、多彩なイベント、セミナー、ライブなどが開かれました。
前編では急成長2.5次元ミュージカルの可能性を取り上げましたが、後編ではアニソンによる世界市場の可能性、そして世界進出を目指す話題の新鋭アーティストが続々登場するTIMM LIVEをレポートします。

TIMM LIVE アーティスト「FAKY」


■セミナー「アニソンの世界展開における現状と可能性」

ここでは今年3月、音楽レコード会社・音楽出版社など10社により設立された世界初のアニソン(アニメソング)専門定額配信サービス「ANiUTa」が紹介された。スピーカーは創立者の佐々木史郎氏(アニュータ代表取締役)、井上俊次氏(ランティス代表取締役社長)。


アニュータ代表取締役 佐々木史郎氏


ランティス代表取締役社長 井上俊次氏



「ANiUTa」は現在、6万曲のアニソンが登録されている。曲の検索は、曲名の他に、アニメ作品のタイトルでも検索できる。またヒットランキングが常時1,000位まで表示できる。アニメファンのかゆいところに手が届くサービスを目指しているという。
価格は月額600円。この価格は5米ドルという設定から来ており、海外配信を始めた際のことを意識しているとか。



このサービスを始めた背景として、佐々木氏は世界を回る中で、「アニソンは世界中で“日本語”で歌われている。日本発の音楽で、日本語で歌われているのはアニソンだけではないか」と感じたからだと言う。また、かつて日本のアニメ作品を海外に持っていくビジネスを行った際に非常に難しかった経験から、そういったビジネスが行いやすい環境作りになればと考えたのだとか。


一方、井上氏からは、日本のアニソンを海外で普及させるためのイベント「Anisong World Matsuri」を世界各地で行っていることが紹介された。ロサンゼルス、ワシントン、上海などで行われ、非常に高い人気を誇っているという。

「ANiUTa」と「Anisong World Matsuri」の両輪で、日本の文化アニソンによる世界の音楽市場の開拓を目指している。


■TIMM LIVE


TIMM LIVE アーティスト「SILENT SIREN 」


TIMM LIVE アーティスト「ASH DA HERO」


TIMMの開催された3日間、渋谷のTSUTAYA O-EASTで、新進気鋭のアーティストによる音楽ライブが開催された。各日、6~7組のアーティストが参加したが、1日目が女性アーティスト中心、2日目が男性アーティスト中心、3日目がバンド系中心のラインナップで、特に3日目が英語の歌詞など、国際色の強いアーティストが多いと言うことで、筆者は3日目のライブに参加した。

主催の音楽産業・文化振興財団(PROMIC)の専務理事 桑原誠氏に、沢山の候補の中からの選抜ポイントを聞くと、「数多くの海外バイヤーが集まる場所、海外へアピールするアーティストであることを基準に選んだ。そのためにCoFestaアンバサダー(※1)の外国人留学生たちにも選考に参加してもらい、意見を聞いた。」とのこと。

3日目は世界を目指す6組のアーティストが登場した。どのアーティストも素晴らしく、会場はもの凄い盛り上がり様で、熱気に包まれた。

≪3日目参加アーティスト(登場順)≫
She, in the haze
ASH DA HERO
FAKY
I Don't Like Mondays
BANANALEMON
Nulbarich


その中で、個人的に印象に残ったのは「She, in the haze」(※2)。透明感のあるメロディアスなパートとハードなパートが入り交じり、美しさと狂気を醸し出すライブだった。
まだデビューして間もないアーティストだが、今後の活躍に期待したい。


TIMM LIVE アーティスト「She, in the haze」


そしてもう一組、トリを飾った「Nulbarich」(※3)。3日間に登場するアーティストの中で、実力、人気とも抜けてるとの前評判は聞いていたが、実に安定感のある質の高いパフォーマンスだった。英語と日本語が混ざるJQのボーカルもユニーク。アシッド・ジャズなどのブラックミュージックをベースに、ポップス、ロックなどにもインスパイアされたサウンドが心地よい。


TIMM LIVE アーティスト「Nulbarich」


TIMM LIVE アーティスト「Nulbarich」


この場所から日本のアーティストが、海外市場へ向けて発信していくのだ。
良いビジネスマッチングが生まれることを願わずにはいられない。


■今回わかったこと

まだまだ日本の音楽産業は海外での市場を拡大できていません。
そんな中で今回の日本発のエンターテイメント、「アニソン」や「2.5次元ミュージカル」といったいわばオタク文化で海外市場に切り込んでいくという戦略は、とても可能性を感じさせました。
イベントと通じて、やはり日本のオリジナルなもの、強みを出していくのが海外でも響くのではと思わされます。

世界中から日本のコンテンツ・音楽を求めて、1,000人以上のバイヤーやメディアが訪れる国際的な音楽総合マーケットであるTIMMのこれからに注目していきたいと思います。


>>前編はこちら


TIMM(第14回東京国際ミュージック・マーケット)
https://www.timm.go.jp/jp/

ANiUTa
https://aniuta.co.jp/

音楽産業・文化振興財団(PROMIC)
http://www.promic.net/


(※1)CoFestaアンバサダー
https://www.cofesta.go.jp/ambassador/
(※2) She, in the haze
http://www.sheinthehaze.com/
(※3) Nulbarich
http://nulbarich.com/


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(記事:中村 健一)

本記事は、エンタテインメントの研究をしているフィールズ研究開発室(FRI)のメンバーが、日頃の活動の中で気になったことに目を向け、独自取材に基づいて、執筆しています。


 

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